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28歳被告が余罪42件を自供 被害届は16件

事件概要

 福岡県警戸畑署に婦女暴行の疑いで逮捕された北九州市戸畑区新池2、無職、甲斐祝至(のりよし)被告(28)=公判中=が調べに対し、42件の婦女暴行や強制わいせつを自供した。同署は5日、うち16件を立件し、捜査を終結したと発表した。甲斐容疑者は女子中高生ばかり狙っており「年齢が低ければ抵抗されにくかった」と話しているという。

 調べでは、甲斐容疑者は昨年12月、戸畑区の路上で、帰宅中の女子高生(当時16歳)にナイフを突きつけて暴行し、脱がせた下着を盗んだ疑いで今年1月に逮捕された。

 余罪を追及したところ、同区などで14〜21歳の女性に対し、婦女暴行(未遂含む)・窃盗12件▽婦女暴行(同)20件▽強制わいせつ(同)・窃盗2件▽強制わいせつ(同)7件▽住居侵入・強制わいせつ1件−−の計42件を自供した。この中の16件で被害届が出ていた。

 同署はこのうち、婦女暴行・窃盗容疑1件▽婦女暴行容疑2件▽強制わいせつ容疑1件−−の計4件で再逮捕し、12件を福岡地検小倉支部に書類送検した。

 甲斐容疑者は99年1月ごろから逮捕されるまでの5年間、下校中の女子中高生らをバス停やJRの駅などから尾行し、人けがなくなったところでカッターナイフなど刃物を突きつける手口で暴行を繰り返していた。

コメント

私の生まれ育った町、福岡で起きた恥ずべき犯罪です。世の中、女性を一人の人格と見る事ができない、湾曲した精神の持ち主が大勢いる事を痛感させられます。

しかし、ここで私たちは非常に有用な情報を得る事ができました。

それは、犯人の行動パターンです。

このケースで犯人は、気の向くままに暗がりから飛び出して犯行に及んでいるのではありません。バス停や駅から冷静に尾行し、機会を待ち、行動しています。

この事件から、私たちが普段、どのように警戒したら効果的なのかがうかがえます。

周囲が賑やかで、明るいところを歩いている時から、周囲に警戒するべきなのです。

たまに振り返ったりし、およその人物を気に留めておく。それを数回繰り返すうちに、同じ人物が尾行していたら、その尾行に気が付くのはそう時間はかからないはずです。

そして、最も注目したいのは、この犯人が自供した42件の婦女暴行が、ほとんど全て「戸畑区」という一つの区の中で起こっていた点です。

なぜ42件も被害が出るまで逮捕できなかったのか。これは当然警察側にも大きな責任があります。そして、被害が起こっている最中にどのように注意を喚起できたかという問題も残ります。せめて戸畑区内の住民全員に十分な警告ができていれば、被害者の数は減っていたはずです。これは当然、警告を発する側の情報提供の方法の問題もありますが、情報を受けた私たちが、どれだけ真剣に自分の事として捉えられるかといった、意識の問題もあります。そして、私たち日本人はまだまだそういった自衛意識が希薄です。

特に中学生のような低年齢層は、まさか自分が性的な犯罪の被害者になるとはなかなか考えが及ばない事も考えられます。そして、まさに思春期の彼女達に、どう説明し警戒させたら良いのか親や教師達の指導の難しさも考えに難くはありません。

しかし実際にこのような事件が起き、42人もの被害者が出てしまい、その中には泣き寝入りしている人もいるのです。

この事件を、これからの自衛意識のありかたへの警告とし、私たち大人は真剣に受け止めるべきです。そして、真剣に彼女たちにも伝えていくべきです。

この事件は、自衛意識がまだまだ未熟な、私たち大人にも一部の責任がるのではないでしょうか。