“被害に遭わないよう、まずは自己防衛に努めてほしい” 新潟と宮城でクマ大量出没警戒

2014年9月8日

福井件、岩手県、富山県、滋賀県に続き、新潟県と宮城件でもクマ大量出没の警戒を強めています。

該当地域の方は万一の遭遇に備え、万全の準備をしておきましょう。

過去には、クマ避け鈴など音を出すグッズを携行していたにも関わらず襲われた例もあります。

熊を確実に撃退するためには熊よけスプレーを携行してください。

餌不足…クマ大量出没警報! 新潟県が対策会議 <新潟県>

産経新聞 9月6日(土)7時55分配信

 県は5日、今秋、ツキノワグマが大量出没する可能性が高いとして、県庁で関係者による被害防止対策連絡会議を開いた。山中にブナやミズナラなどクマの餌が不作となっていることから、冬眠前に餌を求めて山里へ出没する可能性が高いと指摘。出没時の連絡態勢を確認したり、「クマハザードマップ」を活用したりして注意を徹底するよう呼びかけた。

会議にはクマの出没情報があった市町村や県地域振興局、県警の担当者ら約50人が出席した。

今年4~8月の出没件数は平成25年度1年間を上回る374件と急増している。自治体別では村上市が最多の52件で、4月には市内の公園で山菜採りをしていた山形市の男性(64)がクマに襲われ、重傷を負ったほか、近くの路上で無職女性(81)がクマに襲われて死亡した可能性が高いとされている。次いで妙高市(45件)、長岡市(39件)、上越市(36件)となっている。

急増の背景に、今年は全県でクマの好物であるブナやミズナラが凶作または不作となっていることがある。

新潟大農学部の箕口秀夫教授によると、ブナなどは豊作の翌年に凶作となるパターンがあるという。「今年はこのケースで、冬眠に備えて食い溜めようとするクマが餌を求めて広範囲に移動し、人里に現われる可能性が高い」と警告している。

県は各市町村に、高齢者への注意喚起▽クマが身を潜めやすいやぶなどの草刈り▽出没時の迅速な連絡態勢の確認-などに重点的に取り組むよう呼びかけた。県のデータを基に新潟大が作成した「クマ出没ハザードマップ」の活用も促した。

箕口教授も被害対策の成功事例を広めたり、IT(情報技術)を駆使した獣害情報対策の確立が必要だとしている。

クマ出没増加 栗原市、被害防止呼び掛け <宮城県>

河北新報 9月7日(日)6時5分配信

 広い中山間地を抱える栗原市で本年度、ツキノワグマの目撃情報が増えている。8月31日現在で既に185件に達し、2013年度の1年間(101件)の1.8倍に達している。クマは例年10月ごろまで出没する。市はごみを屋外に置かないなど、被害防止策を取るよう呼び掛けている。

合併によって栗原市が発足した05年度以降の目撃件数は表の通り。年度ごとの増減が激しく、13年度は最多だった12年度の半分以下だった。
本年度は4月に初めて目撃され、5、6月に増えた。7月の51件、8月の84件はそれぞれの月としては過去最多。8月21日には花山地区で男性会社員がクマに襲われ、けがをした。
県は「クマの増減の原因は分からないが、ドングリの作柄に関係があるらしい」と説明する。市によると、13年度はドングリなどの餌が豊富でベビーラッシュだったといい、担当者は本年度の増加の理由の一つとして「個体数が増え、縄張り争いに敗れた雄が里に下りてきているのではないか」と推測する。
目撃情報の増加には、高齢化や過疎化に伴って耕作放棄地や遊休農地が増え、クマが潜みやすくなったという背景もある。市はクマとの出合い頭の接触を避けるため、畑の周辺の草むらを刈り払うよう求めている。
県や市は目撃情報を基に、わなや電気柵を民家の周辺に設置できる。ただ、栗原市では中山間地や山間地を中心に「クマが出没しても当たり前」という意識が強く、通報しない住民もいるという。
市は(1)ごみを屋外に置かない(2)食料や飼料の保管を厳重にする(3)山野に入る場合に鈴などを携行する-といった被害防止策を取るよう呼び掛けている。
市農林振興課の担当者は「安全を確保するため、クマを目撃したら情報を提供してもらいたい。例年10月ごろまでは出没する。被害に遭わないよう、まずは自己防衛に努めてほしい」と話した。